「動物取扱業の適正化」意見募集中!

「不幸な犬や猫は何とかしてあげたいけど、法律は難しそうだからちょっと…」
「法律のことは、頭のいい、エライ人に任せておけばいい。」

そう思っている方も少なくないのではないでしょうか?確かに言い回しが難しくて理解するのに一苦労かもしれません。ですが、法律はより多くの一般の人たちが声を挙げなければ変えていくことはできません。すなわち、動物たちを救うためには、私たち一人一人が動物たちを取り巻く問題を認識し、行政に声を届けることによって法律を変えていかなければならないのです。「法律は…」と敬遠せずに、積極的に改正に向けて参画していくことが大切なのです。

現在、環境省では「動物の愛護及び管理に関する法律」の見直し作業に取り掛かっており、2011年には「動物取扱業の適正化」、2012年には法律全体に関して、国民からの意見を募る"パブリックコメント"の募集が予定されています。苦しんでいる多くの動物たちを救うために、環境省検討会の動向を観察しパブリックコメントを通して法律改正に向けて共に行動しましょう。(2010年10月30日現在)

■「動物の愛護及び管理に関する法律」全文はこちら
(e-Govウェブサイトへのリンク)
■動物愛護に関する各種法令・基準等はこちら
(環境省ウェブサイトへのリンク)


  • 動物愛護法の簡単な経緯
  •  平成18年(2006年)に「動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)」が改正されてから5年が経とうとしています。前回の動物愛護法改正によって、動物取扱業の規制強化(届出制から登録制へ)、地方自治体の愛護事業の強化(基本指針に基づく動物愛護管理推進計画の策定)、実験動物の福祉への配慮(「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」の策定)など、日本の動物愛護問題を取り巻く制度が大きく変わりました。しかしながら、法律が良くなったといってもまだまだ不十分であり、現状として問題は山積しています。動物愛護法は施行後5年を目途に見直しを行い、必要であれば改正するということになっています。これを受けて、環境省では2010年度に「動物愛護管理のあり方検討小委員会」を設置し、動物愛護法の見直しを行っています。

    ■「動物愛護管理のあり方検討小委員会」についてはこちら
    ■「制度の見直しに向けたスケ―ジュール」についてはこちら
    (環境省ウェブサイトへのリンク)

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    • 今回の法改正の焦点

    今回の法律の見直しにおける主要課題は大きく9つに分類されています。その項目と詳細を以下に列挙します。

    1.「動物取扱業の適正化」

    ・ 深夜販売(深夜販売禁止等の具体的数値規制の検討)
    ・ 販売時間(展示時間や休息時間等の具体的数値規制の検討)
    ・ 移動販売(特定の店舗を持たない販売形態規制の検討)
    ・ インターネット販売(対面販売を行わない販売形態規制の検討)
    ・ 犬猫幼齢動物の販売日齢(販売日齢制限の具体的数値規制の検討)
    ・ 繁殖制限措置(繁殖年齢や回数の制限等の具体的数値規制の検討)
    ・ 飼養施設(犬猫のケージの大きさ等の具体的数値規制の検討)
    ・ 業種追加の検討(動物の死体火葬・埋葬業者、両生類・魚類販売業者、実験動物生産業者、老犬ホーム、動物愛護団体等の追加検討)
    ・ 業種緩和の検討(動物園・水族館の緩和検討)
    ・ 登録制の検討(登録制から許可制に強化する必要性の検討)
    ・ 関連法令違反時の扱い(動物関連法令に違反した際の登録拒否等の検討)
    ・ 登録取消強化(登録取消を現状より容易にできる取消制度の強化の検討)
    ・ 動物取扱責任者研修の緩和(回数や動物園水族館・動物病院の扱い検討)
    ・ 販売時説明義務の緩和(犬猫以外の小動物等での説明義務事項の緩和の検討)

    2.「虐待の防止」

    ・ 虐待の定義(法44条への具体的例(外傷が生じる暴行等)追記の必要性の検討)
    ・ 司法警察権(自治体職員の立入・捜査権限、動物の一時保護規制の検討)
    ・ 関係機関との連携(動物愛護部局、警察、動物愛護推進員等の連携の検討)
    ・ 闘犬等(闘犬、闘鶏、闘牛等、動物同士を闘わせることの禁止規制の検討)

    3.「多頭飼育の適正化」

    ・ 届出制等の検討(犬10頭以上は届出等の制度の検討、化製場法との整理)
    ・ 適正飼養(適正飼養していない場合の立入調査、勧告・命令規定等の検討)

    4.「自治体等の収容施設」

    ・ 収容施設等の基準(自治体の収容施設、飼養方法、公開基準等の基準化の検討)
    ・ 犬猫の殺処分方法の検討(苦痛のない安楽殺処分等の基準化の検討)
    ・ 犬猫の引取りルール(同じ飼養者・事業者等からの引取の規制の検討)

    5.「特定動物」

    ・ 施行令の見直し(学名記載の検討、選定基準・動物種の見直し等の検討)
    ・ 危険犬種の検討(ピットブル等の犬種の特定動物指定の検討)
    ・ 交雑種の検討(特定動物同士等の交雑種の特定動物指定の検討)
    ・ 特定動物移動時の手続き(簡素化の検討)

    6.「実験動物の福祉」

    ・ 届出制等の検討(届出制又は登録制等の規制導入の検討)
    ・ 3Rの推進(代替法、使用数の削減、苦痛の軽減の実効性確保の検討)

    7.「産業動物の福祉」

    ・ 5つの自由(法の基本原則への明記、産業動物飼養等基準の改正等の検討)

    8.「罰則の引き上げ」

    ・ 現行規制の強化(個人懲役3年・罰金300万円、法人罰金1億円等の検討)

    9.「その他」

    ・ 犬猫のマイクロチップの義務化
    ・ 犬猫の不妊去勢の義務化
    ・ 飼い主のいない猫の繁殖制限
    ・ 学校飼育動物、公園飼育動物等の適正飼養の規定

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