「ノネコ」と呼ばれる猫を知っていますか?
『島に生きる猫を考えるシンポジウム』を開催します


皆様は、ノネコやノイヌと呼ばれ野生動物に区分されている犬猫がいることをご存知でしょうか?
そして、今、特に「ノネコ」が島嶼で希少種などの野生鳥獣を捕食することが問題視されています。
人が持ち込んだ猫たち、島嶼を生息地・繁殖地にする鳥や動物たち。
どうすれば、双方のいのちを守ることができるのか、一緒に考えていただきたいと思います。

〈 日時 〉
2017年12月10日(日)13:00〜17:00

〈 場所 〉
神奈川大学横浜キャンパス1号館308会議室
(横浜市神奈川区六角橋3-27-1)

〈 参加費 〉
1,000円(資料代含・会場にて)

〈 お申込み 〉
下記のお申し込みフォームにて要予約(定員100名)
*お席に余裕がありますので予約なしでのご参加も受付けます。
但し、配布資料はご予約者人数で用意しておりますので、資料が必要な方はご相談ください

〈 講演 〉
岡 奈理子(おか なりこ)先生(山階鳥類研究所フェロー) /13:00〜14:00
演題:伊豆諸島・御蔵島の待ったなしのネコ問題
−東アジア固有海鳥オオミズナギドリの世界最大繁殖地の現状とネコ対策−
==岡 奈理子先生プロフィール==
神奈川県出身、翠嵐高校、早稲田大学卒。水産学博士(北海道大学)。
1970年代半ばに財団法人 山階鳥類研究所に就職。鳥学研究室長、上席研究員、
評議員などを経て、この9月に定年退職し、山階鳥類研究所フェロー。
東京農大客員教授、日本生態系協会評議員、千葉県審議会委員ほか。
*ネコに関わる動機*人生の過半を日本や豪州の海鳥研究に捧げてきた。
その一つ伊豆諸島の御蔵島に持ち込まれ激増したノネコが頂点捕食者に躍り出て、島の生態系の根幹が変わった。
日本最大の海鳥繁殖地での悪夢…役場が行うTNRでは海鳥の減少はとまらず、往年の5%にまで海鳥数が激減した。
ノネコを島から出す音頭を取り、里親を募って自身で1冬にノネコ12匹を本土に搬出し、
現在は役場が予算を組んで東京都獣医師会と搬出し続けるが、ネコの増殖がはるかに勝る。
現状が続けば日本の島の自然に明日はないだろう、悩む日々が続いている。
動物愛護の方々とご一緒に考える好機になればと願う。

小島 望(こじま のぞむ)先生(川口短期大学教授) /14:00〜15:00
演題:ヤンバルクイナ保護とノネコ問題
==小島 望先生プロフィール==
大阪府出身、麻布大学卒。博士(農学)(岩手大学連合大学院)。
北海道教育大学岩見沢校非常勤講師、東京大学大学院農学生命科学研究科COE特別研究員
などを経て、川口短期大学教授。
*ネコに関わる動機*野生動物の研究を通して長く自然保護運動に関わってきた。
外来生物を扱うことになった際に、いずれ必ずネコの問題を含めた動物愛護と自然保護との接点を調整する
研究に関わるだろうと予見していて、実際に関わることになった。
自然破壊もイヌネコの殺処分のいずれも原因は人間社会側にあるにもかかわらず、動物側に責任転嫁をして
駆除をし続けている現状は「虐殺」以外の何ものでもないと考えている。
「ナキウサギの声が聞きたい(共著)」「生物多様性と現代社会:生命の環30の物語」「野生動物の餌付け問題(共著)」など、著書多数。

〈 パネルディスカッション 〉
15:10〜17:00
司会:山田佐代子(神奈川県動物愛護協会会長)
岡奈理子先生(山階鳥類研究所フェロー) / 小島望先生(川口短期大学教授)
高橋満彦先生(富山大学准教授) / 黒澤泰氏(神奈川県動物愛護協会常務理事)
東郷佳朗先生(神奈川大学准教授) / 後藤一平氏(衆議院事務局職員)

<パネリストご紹介>
●高橋満彦先生
富山大学人間発達科学部准教授、富山県環境審議会委員
野生動物に関する法律を研究しています。
著作「野生動物法とは:: 人と自然の多様な関係性を託されて」法律時報88巻3号(2016)
「野生動物法・Wildlife Law の諸目的に関する考察」比較法学50巻3号(2017)
"Cats v. Birds in Japan: How to Reconcile Wildlife Conservation and Animal Protection"
Georgetown International Environmental Law Review 17(1) (2004)
趣味は、野鳥観察、山歩きと山菜取り、浪曲鑑賞
●東郷佳朗先生
神奈川大学法学部准教授
生物多様性の保全と動物の愛護とは決して両立しがたい要請ではありませんが、外来種問題をめぐっては、
「種の保存か、個体の生命か」というかたちで両者が鋭く対立する場面にしばしば遭遇します。
島嶼部においてノネコが引き起こしている問題は、まさにその典型ということができるでしょう。
この問題に関して、今回のシンポジウムがきっかけとなり、価値観の相違に折り合いをつける賢慮と、
二項対立の地平を乗り越える叡智とが醸成されていくことを期待いたします。
●黒澤泰氏
麻布獣医科大学獣医学部獣医学科卒。
横浜市役所に食品衛生監視員として入所し、食品衛生業務、狂犬病予防員、動物愛護指導員として地域で発生する動物問題に対応。
1995年、人と猫が共存できる街づくり事業として「地域猫」の考え方を全国で初めて行政として発案実施。
北海道から沖縄まで、全国で地域猫の講演活動を行っている。
本年3月定年退職し、公益財団法人神奈川県動物愛護協会常務理事に就任。
著書:「地域猫のすすめ」ノラ猫と上手につきあう方法(文芸社)
● 後藤一平氏
衆議院事務局職員
2004年衆議院事務局入局。国際部国際会議課、調査局環境調査室、一橋大学大学院派遣を経て、 2015年委員部第六課(環境委員会担当)となる。
大学在学中の1999年に「早稲田大学地域猫の会」に 参加してから動物愛護をライフワークとし、2012年の動物愛護法の改正作業に携わる。
「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」において、次回の法改正に向けた議論を支えている。
東京都動物愛護推進員、ペット法学会会員。

 
 
 

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